産後リハビリを始めるタイミング
こんにちは!新宿区市ヶ谷の整形外科「T CLINIC Ichigaya」にて産後リハビリ/骨盤底筋トレーニングを担当している理学療法士の庭山です。
今回は「産後リハビリを始めるタイミング」についてお伝えします。
妊娠・出産は、お母さんの体に大きな負担をかける出来事です。腹筋や骨盤底筋は妊娠・出産時に大きく引き伸ばされ、支える力が一時的に低下します。そのため、腰痛や尿もれ、姿勢の崩れなどの不調が起こりやすくなります。
「早く体を戻したい」「運動を再開したい」と感じる方も多いですが、回復のスピードには個人差があります。
焦って早くから運動を始めると産後の回復を遅らせてしまうこともあるため、始めるタイミングがとても大切です。
【出産直後】
まず、出産後1〜2週間は「安静にする時期」です。
体が回復しようとしている時期なので、「しっかり休む」ことを最優先にしましょう。「休む」といっても長時間座っている状態では、妊娠・出産時にダメージを受けたお腹や骨盤底へ内臓の重さがかかり負担になってしまいます。なので「寝た状態で休む」時間を多くとるようにしましょう。
この時期には、寝たままできる深呼吸や、軽く骨盤底筋を意識して「やさしく引き締める→緩める」程度の動きがおすすめです。
【産後1ヶ月頃】
出産から1ヶ月前後になり、産後健診で「子宮の戻りや傷の状態に問題がない」と医師から確認が得られたら、少しずつ軽い運動をスタートできます。
この時期からは、骨盤底筋や体幹(お腹まわり)のインナーマッスルを中心に、呼吸を意識した軽いエクササイズを行うとよいでしょう。姿勢の安定や、腰痛・尿もれ予防にもつながります。
帝王切開の方は、傷の回復に個人差があるため、医師に相談しながら段階的に進めていくことが大切です。
痛みや違和感がある場合は、無理をせず休息を優先しましょう。
また、リハビリといっても特別な動きをするだけでなく、日常生活の中での姿勢や動作の工夫も重要です。
授乳や抱っこの姿勢を整える、座るときに骨盤を立てる、ときどき深呼吸をする——これらも体の回復を助けるリハビリになります。
【焦らず一歩ずつ】
産後リハビリの目的は「元の体へ完璧に戻すこと」ではなく、「これから先も快適に過ごせる体をつくること」。まずはインナーマッスルの回復から始め、段階的に負荷を上げていくことが大切です。自分の体の回復ペースに合わせて、焦らず取り組んでいきましょう。
当院では、傷の状態や悪露(産後に子宮から出る血液が混じった分泌物)が落ち着いてくる産後2ヶ月以降の方を対象に産後リハビリを行なっております。腰痛、尿もれ、お腹に力が入らないなど気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
詳しくはこちら https://t-cl.jp/pelvis.html

