産後ダイエットとリハビリの違い

こんにちは!新宿区市ヶ谷の整形外科「T CLINIC Ichigaya」にて産後リハビリ/骨盤底筋トレーニングを担当している理学療法士の庭山です。
今回は「産後ダイエットとリハビリの違い」についてお伝えします。

結論から言うと、ダイエットの前に産後リハビリを行うことが望ましいです。

【ダイエットは骨にも影響を及ぼす】
出産後、「体型を早く戻したい」「妊娠前の服を着たい」と思うお母さんは多いと思います。
ですが、産後すぐの時期にダイエットを始めるのは注意が必要です。
分娩直後は骨を壊す細胞が活発になり、授乳中には年間で3〜10%程度の骨量が減少すると言われています。
特にもともと痩せ型の方は、骨粗鬆症のリスクもあります。
そのため、産後すぐのダイエットは骨の健康という面でも悪影響を及ぼす可能性があります。

【ダイエットの目的】
ダイエットの目的は「体重を減らすこと」や「見た目を引き締めること」が中心です。
食事制限をすることで産後の回復や母乳に必要な栄養が足りなくなり、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても不利益となってしまいます。
また、産後の回復が不十分な状態で筋トレやジョギングを始めると、腰痛や尿もれ、臓器脱(膀胱や子宮が膣から体外へ出ること)などのトラブルにつながるリスクがあります。
「早く痩せたい!」と頑張ることで、逆に体を傷めてしまうことも少なくありません。

【産後リハビリとは】
産後リハビリでは、まず妊娠中や出産時に変化した体の回復から始めます。
「深く呼吸ができること」「内臓を支えるインナーマッスルを意識して使えること」などを目標に練習をしていきます。
また、家事や育児における姿勢や動き方をお伝えし、お体のトラブルを予防します。
この土台ができてから初めて、体を引き締めるエクササイズや運動へ進むのが理想的です。

つまり、産後リハビリは「体を整えること」、産後ダイエットは「整った体で引き締めていくこと」です。
どちらも大切ですが、順番を間違えると成果が出づらく、かえって不調が長引くことがあります。

まずは焦らず、呼吸や骨盤周りの回復を意識したリハビリから始めましょう。
体の土台が安定すると自然と姿勢も整い、代謝も上がりやすくなります。
「体重を減らす前に、体を立て直す」—これが産後の体を元気にする一番の近道です。

T CLINIC Ichigayaでは産後の方の骨密度検査もおこなっています。もともと痩せ型(BMI18以下)の方やご家族に骨粗鬆症の方がおられる場合は検査をおすすめします。
当院の産後リハビリ/骨盤底筋トレーニングについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください♪ https://t-cl.jp/pelvis.html